ストレッチフィットネスに関してよくいわれる“事実”のいくつかは実は根拠のない神話だという。たとえば、運動前にストレッチをしても実際は損傷リスクが低減するわけではない。ただし、ストレッチは練習後などそれ以外で損傷予防に役立つ可能性がある。米国運動協議会(ACE)は過去10年の研究を検討し、2月14日のニュースリリースでこのように報告した。ACEは、筋肉群を最大まで伸ばして30秒間保持する「静的ストレッチ」(静的な脚のストレッチなど)は運動パフォーマンスを高めるわけではないと注意を促している。練習前に静的ストレッチをすると、逆に、短距離走やジャンプなど爆発的な運動や、最大筋力を発揮する場面で悪影響をもたらす可能性がある。 かわりに、準備運動のルーチンに「動的」ストレッチを含めることをACEは推奨している。動的ストレッチの一例に、短距離走者が競技前に行う長く大きなストライドがある。また、カロリーを消費したい人にとって、実はウォーキングよりもランニングのほうがよい。ウォーキングはすぐれた身体活動だが、ランニングのほうが必要とするエネルギーは40%高いという。 さらに、乳酸は運動中のアシドーシスや筋肉疲労を起こさない。これも一般に、研究を誤って解釈したことによって考えられてきた神話の1つであり、乳酸は高強度の運動時に役立っているとしている。(HealthDay News 2月17日) |